美しいコピー、それは諸刃の剣

コピーライターは、商品を売るために
躍起になって美しいコピーを書きたがります。
そう、まるでCMのイメージ広告のように・・・
3行で顧客の心をつかむ!
インプレッション・ライティングのソメヤです。
今日は私の実体験から得た教訓をもとに、
本当に必要なコピーライターとしての
資質についてお話ししたいと思います。
飲食店でコピーを書く仕事をさせてもらい、
もう8年ほどになりますが、
最初のころはポスター制作から
商品画像に合うコピーを考えていました。
商品の写真というのは、
ポスターでは肝にあたりますから、
とうぜんどうおいしく見せられるか、
シズル感(※)のある画像を見せるか、
それが重要でした。
※シズル感=みずみずしさ、顧客が空想しやすい写真
その「美味しそう」をどう表現するか、
言葉で訴えかけるにはどうすればいいか、
それをいつも考えていました。
自分が顧客だったら・・・と考えて考えて、
最後、採用するのはイメージを沸かせる言葉。
つまり画を「見せる」ではなく、
言葉を「魅せる」言葉になってしまっていました。
ミイラ取りがミイラになる、ではないですが、
言葉の素晴らしさにライターが魅了されるという、
一種のタブーにぶち当たったわけです。
自分の言葉に酔ってしまう、そんな感覚です。
その時のプッシュした商品は
入口や路面に向けてに大々的に販促を打ちましたが
まったく売り上げにつながりませんでした。
製作した分(当時は自作でしたが)マイナスになる
ような、そんな売れ行きでした。
(確か、前月比で88%程度だったと記憶しています)
この時感じたのは、自分が心地よいと思うコピーは
お客様からすれば右から左に流れるような
そんなコピーになっているということです。
風景文字といえばいいのでしょうか?
コピーライターの仕事は当たり前ですが、
自分のコピーで商品を売ること。
それを肝に銘ずる非常に大切な勉強でした。
ちなみに、その広告は翌月作り直し、
売り上げアップにつながりました。
やはりコピーの力は偉大です。
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